フィンランドのパパの子育てを知ったら日本のイクメン状況にガッカリしました
フィンランドのパパの育児についての本を読みました。保育園でイクメン気取りの無神経パパがいたので日本のイクメン状況について調べてたのですが、日本との意識の違いの大きさにビックリ!日本のまだまだイマイチな現状にガッカリしょんぼりしちゃいました。
フィンランドでは夫婦で妊娠する
フィンランドでは女性が妊娠すると、そのダンナさんは「僕たちは妊娠しました」「僕たちは身ごもっています」と言うんだそうです。赤ちゃんはママにやってくるんじゃなくて、パパとママの元にやってくるんですね。妊娠はママだけのものじゃなくて、夫婦一緒に経験するものだと考えるのかな?
日本では「奥さんが妊娠したんだ」って言い方が主流ですよね?もし夫婦を主語にするなら「○月に赤ちゃんが生まれるよ」かな?うーんでもあまり使われません。
言語の問題が意識の差に
「夫婦もしくはカップル」が妊娠するのか「妻」が妊娠するのかは、フィンランドと日本の言語の違いによるものかもしれません。言葉の使い方の問題で、主語がweなのか、Iなのか、sheなのかってだけのことかもしれません。
でも主語の違いがあると、子どもに対する意識に差が生まれそうです。
日本では「女の人は妊娠したら母になるけど、男性は赤ちゃんが産まれてから父になる」って言われますよね。
これって男性と女性で、パパ・ママになるタイミングが違ってことで、このタイミングのズレがパパママの意識のズレになって、産後クライシスなどの問題につながっているような…
子育てが10ヶ月間増える
フィンランドの「僕たちは妊娠しました」は、男性も女性も同時にパパ・ママになることを表しているようです。
妊娠期間中から男性もパパになれるってすてきですね!
一緒に妊娠してもらえるママは、心強いと思います。
男の人にとっては、赤ちゃんを待つ期間もパパでいられるんですから、赤ちゃんのお迎え準備も楽しめますよね。
子育てを終えた人の話では「子育てはあっという間!」「すぐに大きくなっちゃう」と、子育てできる期間はすごく短いと言われます。ので、妊娠中の10ヶ月間を楽しめたら、子育てを楽しむ時間が10ヶ月も増えるんですよ!
恐ろしく自由時間がなくなる
この本「イクメンMIKKOの世界一しあわせな子育て (フィンランド流)」は子育てに関するネガティブな情報も書いてありました。いいですね!現実を知るのは大切です。
引用
赤ちゃんとの生活は恐ろしく自由時間がなくなるものだということを、子供を授かる前やこの頃に知っておくべきかもしれません。パートナーが出産した後の自由時間の減少は多くの男性に共通する驚きであり、数多くの離婚や別離をもたらす”産後危機”の理由だと思うからです。
男性について書いてありますが、時間がなくなるって、女性にも驚愕なんですよね。
だってミルクや母乳をあげてオムツを変える1セットだけで1時間かかるんですよ。そこから寝かしつけ30分とか…母乳あげて貧血でフラフラなのに、赤ちゃんを抱いて歩いて寝かしつけるって、罰ゲームかなって思います。夜中でもね。
特に初めての子は生活の変化にビックリ驚きしかありません。これまでの仕事や夫婦二人きりの暮らしとペースが一変してしまいます。そのうえ慣れない子育てをするんですから、自分が何者なのか分からなくなります。
実は同じ保育園のパパが…
先日2才児クラスへ通う息子の保育園で懇談会がありました。
そこで隣の席のパパが驚きの発言を…「妻は仕事と子育てで大変と言っていますが、僕も手伝っていますから皆さん誤解しないでくださいね。でも僕は自分の時間も欲しいので、趣味も楽しんでいます」と堂々と言いました。
しかしそのママは立っているだけでも大変そうでした。毎日の仕事、育児、家事に追われてヘトヘト、顔は青白く、声は小さくか細く、今にも倒れそうな姿だったのです。
ああ、これが仮面イクメンとか、イクメン気取りとか言う男か…
人生充実しているパパの自己満足度は最高点ですが、ママの弱りきった姿は見えないのかな?きっとママは、こんなパパのお世話も大変なんじゃないだろうかって、いらぬことまで考えさせられました。
パパもママも同程度に家事・育児・仕事をがんばっているのなら、二人とも健康、もしくはふたりともヘトヘト、どっちかになるんじゃないかな?
フィンランドの子育て本では、パパもママも家事、育児をしていました。
日本の現状では、家事の最終責任は女性です。子育ても女性の責任を問われることが多いですよね。女性は職場では仕事にも責任があります。
男性は家庭の経済的な責任を持たされますが、家事はやらなくていいもんねぇ。仕事だけに責任を持てばいいから、気楽だよねぇーって思っちゃいます。体力があるんだから、一緒にやってくれればいいのにね。
17時に仕事が終わるならいいじゃん
本の筆者は、17時に仕事が終わるフィンランド人にとって自由時間がなくなることは大きな問題になる、と言っています。
でもさーいいじゃん。フィンランドの人は長い余暇時間を持ってるから、削る時間がありますよね。
日本人は帰宅時間って夜10時頃じゃありませんか?そこから晩御飯、家事、お風呂したら、余暇時間なんてないですよね。起きて活動する時間では、自宅より職場で過ごす時間の方が長いんですから。
起きてる時間では削る部分がないから、寝る時間を削るしかありません。
寝ないと病気になります、病気になると会社を休みます、休むと仕事がたまる、病気でも仕事を休めなくなる、赤ちゃんがいるから寝られない…パパもママも変わらぬ状況になります。
赤ちゃんがやって来ても、大人の健康が奪われて、子育てを楽しむどころではないような…
ネガティブだけど現実の子育ての情報
この筆者は「(赤ちゃんが産まれた)最初はひたすらタフであれ」と言っています。
自由時間がなくなるということを、赤ちゃんが産まれる前に知っておくことも大切だと言っています。
まったくそのとおりだと思います。
日本ではネガティブな情報はあまり言われませんが、現実を知っておくことは大切ですよね。気持ちにも準備ができます。
赤ちゃんが産まれると、パパもママも眠れません。
実際は自由時間どころか、パパママが食事したり眠ったり、トイレに行く時間もなくなります。自分の趣味の時間なんて全くとれません。
泣く子に時間がかかる
赤ちゃんのお世話は授乳やおむつ替えだけだと思われがちですが、実際に時間がかかるのは泣いている赤ちゃんを抱いてあやすことだと思います。
お腹が減って泣くのはミルクやおっぱいをあげれば収まりますが、飲みすぎて苦しくても泣きます。
眠かったり、暑かったり寒かったり、夕暮れだからと泣いたり、意味不明にとにかく泣きます。
「だっこしてればいいんでしょ」と思うのですが、目の前で赤ちゃんが泣いていると、胸に迫るものがあって落ち着きません。赤ちゃんを抱っこしながら家事や勉強、仕事をしようとしても集中できなくなります。
産まれる前は「産まれたら勉強しよう、職場復帰に備えよう、資格を取得しよう」なんて予定してたのですが、どれもできませんでした。
気晴らしに本を読んだり、友人へメールをすることもできません。TVも見えないし、くつろぐどころか息つく暇もありませんでした。
本当の新生活は復職後
本当の新生活は復職後、これも本当に共感できました。
イクメンパパが常識のフィンランドでも、パパママ親の悩みは日本と変わらないんですね。
- ライフスタイルの大きな変化
- 自由時間が全く取れないつらさ
への戸惑いです。
日本では特に共働き夫婦に当てはまると思います。ワーキングママに参考になると思いました。
保育園入園のワナ
日本では、保育園に入園するだけでも大変です。そのため「保育園に入れれば万事順調」という幻想があります。
しかし入園と育休明けの復職はスタートでしかありません。
ここから育児、家事、仕事の3つの重荷がパパママ、特にママに重くのしかかってきます。
パパママは、働く時間以外の全てを家族に捧げなければなりません。
長時間勤務などの問題で、パパは子育てと家事、どちらかしか手伝ってくれないのが現状でしょう。子育てと家事、どちらかでも手伝ってくれれば御の字、という家庭も多いと思います。パパママ共に忙しい毎日で、職場復帰後に夫婦の関係が変わってくることもあるでしょう。
ママの職場復帰と子どもの入園がスタートしてから生まれる問題も多いのですが「保育園へ通ってるんでしょ」で済まされて、家族や親子、職場での問題を言い出しづらくなることもあります。
フィンランドでは父親休暇が2ヶ月だって!
この本の筆者は、父親休暇を2ヶ月取得したそうです。
赤ちゃんが13ヶ月になるまでママが赤ちゃんのお世話をして、ママの復職と入れ替わりで父親休暇を2ヶ月とったそうです。
この経験談はすごく簡潔なのですが「子育てってこういうことだよね…」と経験者にしか書けないなぁってこと書いてあります。
引用
息子は10ヶ月で歩き始めていたため…一日中、ボールをスティックで叩くゲームに熱中したり、どこかによじ登ったりしたがりました。僕はそんな彼の後をついて回り、けがをしないように常に注意していなければなりませんでした。
…こんな現実だってこと、出産前に知りたかった!
出産後、子どもの後をついて回るだけの一日を過ごすと「何も生産してない」感にさいなまれていました。これが子育てだと知らなかったので、虚しい日を送りました。
本当は、これはとてもすばらしい日です。
子供が怪我をせず安全に、興味のあることを経験、体験して大きな成長をした日です。
しかし親には苦しいばかりでした。目で見たり数字で表せない成長ですからね。
子どもがこういうものだと、私も夫も知りませんでした。
夫は、子供が同じことを何度も繰り返すと、子供から目を離して本を読みふけったり「パパがやりたいから、一緒にこっちの遊びをしよう」と無理強いしていました。
子どものやりたいように気の済むまでやらせてあげるって、現代日本の大人には修行に近いかもしれませんね。
男性も子育てはヘトヘトに疲れる
引用
父親休暇の2ヶ月間はとてもすばらしい時間でしたが、多くのことを教えてくれるものでもありました。フルタイムの子育てがいかに厳しいものであるのかを思い知らされたのです。代わりがいない分、職場でのどんな仕事より大変。妻が職場から帰宅する頃には、毎日ヘトヘトになっていました。
これです!大変なのよ、フルタイム育児って。
体力がある男性でも大変なんだって、この本を読んで知りました。
私が赤ちゃんを育てていた頃は、なんでこんなに疲れるんだろう?外出もしてないのになぜ?外で働くほうがずっとラクなんだけど…と不思議でした。
代わりがいないこと、代わりがいなくて休憩時間がないことが原因なんですね。
加えて慢性的な睡眠不足。なぜか世間は「赤ちゃんが昼寝するから、ママも一緒に昼寝できていいね」と思っているようですが、子どもが昼寝する間に家事をしないと、家族は晩御飯を食べられませんよね。
でも子育ては楽しい
ここまで子育てのネガティブな面を書きましたが、喜びも多くあります。毎日、何か大きなイベントや出来事があるわけではありませんが、なんとなく楽しい気持ちがします。
この本でも筆者は子育てにポジティブな印象をもっていました。
親にとっては人生修行な面も多くあり、子どものお世話は大人を人間的に成長させてくれると思います。
時間がないから効率的に仕事をするようになり、社会的にも成長させてくれます。
読んだ本は イクメンMIKKOの世界一しあわせな子育て (フィンランド流)
★この記事の評価★
★★★☆☆